TL;DR
全体的に共感でき、わかりやすい本だった。特にDisagree, and commitの話について、この数年でその大切さを感じてたので改めて勉強になった。
がんばります!?
本書では、タイトル通り働き方について著者のこれまでのキャリア、とくにGoogleにおけるキャリアを通した学びを説明している。端的にいってとても参考になった。また読み返すと思う。非常にわかりやすい。著者の他の本は読んだことはないがこれを機に読みたい。
本書では、全体を通し一貫して日本的な"頑張る"という働き方の姿勢に警鐘を鳴らしている。
数多くの仕事を抱えて"頑張る"のではなくて、最大の成果を出すためにどうすると良いか考えるよう著者は訴える。成果を出すにもある程度の余裕は必要でそれがない頑張らないと仕事が終わらないような状態は健全ではないと。すなわち成果が出ないよ、ということ。それはそう、と思う。
僕もできてるかは自信がないなと読みながら思った。頑張ってるかもしれない。
Disagree, and commit大事だよね
さて、そんなわけでいろいろと参考になる話が多かった本書なんだけど、中でも個人的に改めて勉強になったのはこのDisagree, and commitの話題。
グーグルには "Disagree, and commit(賛成せずともコミットする)"というルールがありました。チームで一度決められたことは、たとえ賛同できなかったとしても全力でやりきる。そんなニュアンスです。
後になって「あの意見にはまったく賛成できないよ」などと言ってチームの足を引っ張るのは、特に歴史が長い大企業にはよくあることのようですが、プロフェッショナルのあり方ではありません。 後になってから「うちのチームの会議、ひどいんです」「全然賛成できない案が採用された」などとブツブツ文句を言う人は、プロフェッショナルとはいえません。
ふーん、と思う方もいるだろう。でもこのDisagree, and commiを日本的な文化が強い組織でやり抜くことは簡単ではないと思う。
個人的な経験からもそう感じるし、異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養の中でも日本は他の国と比べても合意形成を非常に大切にする文化を持つことが述べられており、合意することを大切にする文化がたしかに日本にはあると思う。
だから、Disagreeな人がいるという曖昧な状態を受け入れられない人が多いと思う。Disagreeなら納得するまで話そう、という納得感を過度に重要視する場面を見たことがある人は多いだろう。僕もそういうのよく見てきた。
もちろんGoogleのようなグローバルな組織ではまた違う大変さがあるだろう。だから、Disagree, and commit をすることも簡単ではないと思うがしっかりこれを受け入れる文化があるということはすごいなと感じた。
僕が組織の決断に対して、個人的にはDisagreeだけど、commitしていく、という行動を意識するようになったのはまだ最近のことだ。個人的にこの何年かで学んだことだったので、本書を読んでそうだなーと改めて思った。
大昔、僕が2回目の転職をする際に所属していた組織の愚痴を父親に言ったら、
"組織ってのはそういうもんだ!"
ていう旨のことを言われて珍しく怒られたことがある。
当時は何言ってんだ、と本気で思っていたが今ならわかる。父親はずっと銀行員だったんだけど、そりゃ組織の中で働くということを嫌というほど理解してるわな。と言いつつ、僕の銀行という職場への理解は半沢直樹からだけなので、偏ってそうだけど僕がこれまで働いてきたようなIT企業よりは組織として面倒そうであることは違いないだろう。
なんらかの理由でどうしてもDisagree であればそれは組織を離れる選択をする、てことでいいと思う。とても乱暴な言い方であれだが、僕がいる業界であればある程度それで生きていけるだろう。
ただ、多くのケースで組織として目指す最終的なゴールには向かっているけどその進み方が気に入らないとかそういうDisagreeだったりする。その程度。だから、組織のカルチャーとか文化にあった選択ならDisagreeでも受け入れると思う。今なら。
若い時はこれを受け入れることがなかなかできなかった。そして、ヘイトが溜まって退職、となっていた。
おじさんになって組織で働く以上こういう仕方ないこともあるとわかるようになった。組織の目標が大きいなら尚更そう。組織という力を発揮するにはそういうの必要だから。
僕の父親が昔僕に言ったのはそういうことなんだろう。今となっては本人に聞くのも面倒だからあれだけど多分そう。
そのあたりの覚悟という意味では以前書いた記事にお気持ち書いてるんだけど、そういうこととちゃんと向き合って組織の目指す大きな成果に貢献しようと思えるようになった。
道中で大変なことはあるけど、そこと向き合いつつも組織としての成果が最大化されるよう、Disagree, and commitが大事なんだよな。最近身に染みる。
まとめ
そんなわけで、がんばらない働き方、とても良い本でした。おすすめです。終わり。