TL;DR
度々話題に上がる子供がどうテレビやゲームと付き合うべきか、に関する議論に教育経済学という観点からの結論が出ていることをしれて良かった。
見たって害は無いよね、という前から個人的に考えていることと一致してて納得した。
学力の経済学、を読んだ
お勧めされていたので読んだ。親になってから、やはりこういった本は気になる。気にしすぎてもあれかなと思いつつ、知ってる知ってないで差がつくのも事実なので読んだ損はないだろう。
そんなわけで本書を読んだんだけど、とてもよかった。どれくらいよかったかというと、Kindleで読んだものの、奥さんにも読んでもらった方がいいかなと思って物理の本も注文したくらい。
いくつか引用しながら感想を述べる。冒頭ですでに著者は結論を述べているが、本書の主張の一部はこう。
しかし、教育経済学者である私が、自分の親しい友人に贈るアドバイスは、それとは正反対のものです(根拠については第 2章でご紹介します)。
・ご褒美で釣っても「よい」
・ほめ育てはしては「いけない」
・ゲームをしても「暴力的にはならない」
詳細は割愛するが、これらは本書が主張する内容を端的に示していて、さらに、僕が本書を読んで一番参考になった事柄。
ただ、こういった話題はなにかと盛り上がると思うんだけど、どういった観点または立場で著者が主張しているかを理解した方がいい。これも著者はしっかり述べている。
私は、経済学がデータを用いて明らかにしている教育や子育てにかんする発見は、教育評論家や子育て専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある―むしろ、知っておかないともったいないことだとすら思っています。
本書は、その教育経済学が明らかにした「知っておかないともったいないこと」を読者のみなさんに紹介することを目的にしています。
この通りなわけだが、教育という立場だけでなく、経済学という観点からどうなのか、ということを著者は述べている。
著者は教育の専門家たちの主張を否定しているわけではない。教育と経済学という観点、立場に立った時の主張をしている。この辺りが僕が本書を他の教育関係の本よりも信頼できると感じたポイントだった。
技術の進歩による生活、教育のおかれる状況の変化は昔の比ではない。昔の経験だけに頼った理論や理屈に過度に頼ることは危ないだろう。変化を受け入れつつ、科学的に何が良さそうか、という積み上げを参考にしながら子供の成長を親としては支援したい。ゲームやテレビとの付き合い方に関する議論に関する皮肉として著者が述べた一文は不思議と読後によく覚えていた言葉だ。
「テレビやゲームは有害だ」というのは、その昔「ロックンロールを聞くと不良になる」といわれたのと同様、単に人々の直感的な思い込みを強く反映した時代遅れのドグマにすぎないのです。
書ききれなかったが、学力の経済学おすすめです。終わり。