masayuki5160's diary

ソフトウェアエンジニアの雑多ブログ。

論文読会(読書会)が続いてる

はじめたきっかけは僕がLLMをソフトウェア工学でどう活用するか、的な論文を定期的に読みたい、と思ったことだった。それで、一緒に読みたい人いないですかー、と勤め先で突然声かけをした。そしたら意外に興味ある人がいてくれて、そんならやろう、となった。

たまたま以下論文がそのころXで注目されてて、そしたらこれまず読もうかときまった。

 

[2310.03533] Large Language Models for Software Engineering: Survey and Open Problems

 

論文を読み慣れていない人もいたから、論文の読み方は僕から話した。で、そのあと、お目当ての論文を少しずつ読み進めた。章ごとに担当割り振って順番に読む感じ。でもなかなかのボリュームのサーベイ論文だったのと、月一の勉強会だったので、読み切るのに半年かかった。が、ちゃんとやり切れたのは良かった。雑にはじめた会の割にはここまで続いて中身のある会になったことは素直に嬉しかった。月一、という開催頻度もちょうど良かったのかもしれない。

 

お目当ての論文をまずひとつ読み終わってから、その後、何しようかな、という話をした。たしか、いくつか僕から提案をしたと思う。どういう話の展開だったか忘れたけど、一緒にモダンソフトウェアエンジニアリングを読むことになった。おすすめしたのは僕だったが、その理由は、モダンソフトウェアエンジニアリングはアカデミックの視点もある書籍で、著者らのソフトウェアエンジニアリング界隈への見解が知れるのは面白いポイントにあった。

 

 

そしてこないだ、その読書会の初日。Miro に各自感想や意見を書く形で用意してきたんだけど、参加者みんなしっかり読んできていて驚いた。読書会ももちろんみんながこの姿勢だから、感想言い合ったら、ここはどう思った?みたいな意見交換ができた。

話をしていて感じたのは、やはりそれなりの経験をした上でソフトウェアエンジニアリングのアカデミックな話をしっかり読むと、多くの気づきがあるということ。読書会でも、自分たちが日々業務をしている中での課題に関して、アカデミックの場で議論がされていることに関して気づきがあった人もいたようだった。アカデミックな場での話と実践の場でのこと、双方をうまく行ったり来たりすることは具体と抽象の階段を上り下りすることになって、課題の本質を捉えることにつながるはず。

 

この会は引き続き細々とでも進めていくつもり。現場のエンジニアとしては職人芸的なことに気を取られてしまうけれども、科学というか工学としての再現性を意識したりすると、また楽しくソフトウェア開発できたりすると思う。そして仕事での成果も自然に出るだろう。論文書こう、なんて言うつもりはないんだけど、職人芸だけに気を取られると意外に職人芸の戦いの日々に疲れてバーンアウトすることあると思うから、アカデミックの話にふれることで自分のしていることを俯瞰して捉えることができると、何か掴めることがあるんじゃないかなと思う。僕個人はまさにそうだった。

まあでもそこまでいろいろは考えてはいけないなとも反面思ってる。冒頭で話したように、ほんとに会を始めたきっかけは僕が論文読むのに付き合って欲しい、というごく個人的なことがきっかけだから。そして、こういうごく個人的で純粋な好奇心によるものの方が長くこういった場は続くよな、となんとなく思ってる。だから変な裏の狙いとかは入れない。好奇心に従う。

日々の業務もちろん大事だけど、こういう時間を一緒に楽しめる同僚がいるのは嬉しい。小難しいことは考えず、今後もゆるいけど真面目に勉強会していく。僕の個人的な趣味に付き合ってくれる同僚たちに感謝。おわり。