はじめに
SES2023に投稿するにあたってユーザビリティに関するサーベイをしたのでそれをざっとまとめておきます。
サーベイまとめ
ユーザビリティへの注目のはじまり
- 明確にはわからなかったが、インターフェースという領域ができてから注目が集まった
- 黒須正明. "ユーザビリティ・エンジニアリング: 1. ユーザビリティ工学の背景と概説." 情報処理 44.2 (2003): 122-127.
- 人間工学(Human Factors Engineering)、認知工学、ユーザビリティ工学と徐々に問題領域の設定を変えながら変わってきた様子
- 黒須正明. "ユーザビリティ・エンジニアリング: 1. ユーザビリティ工学の背景と概説." 情報処理 44.2 (2003): 122-127.
- 国内の学会
- 日本人間工学会 https://www.ergonomics.jp/
- ソフトウェア、というよりはものづくり、メーカー寄りな印象を受ける
- 日本人間工学会 https://www.ergonomics.jp/
- 国際学会
- Human Factors and Ergonomics Society https://www.hfes.org/
- Appendix https://u-site.jp/lecture/20000911
ソフトウェア製品におけるユーザビリティ
- ソフトウェア工学におけるユーザビリティは品質であり、SQuaREを参照することになる
人間工学、ユーザビリティ工学とソフトウェア工学
- 平沢尚毅. "ユーザビリティ・エンジニアリング: 3. ソフトウェア開発におけるユーザビリティ工学." 情報処理 44.2 (2003): 136-144.
- 非常に参考になった
- こちらを参照しつつ、参考文献を読みあさった
- Bias, Randolph G., and Deborah J. Mayhew, eds. "Cost-justifying usability: An update for the Internet age." (2005).
- これは欠かせない文献のようだった、非常に参考になる
- ISO18529などユーザビリティの向上を実現するプロセスの定義を人間工学またはユーザビリティ工学の方を中心されているが、最終的に要求定義の重要性を説いている
- 人間工学とユーザビリティ工学ではソフトウェア製品に限らず、ユーザビリティに関して議論をしている
- 上記を考慮した読み替えが必要だが、それに関しては、Seffahらが議論している論文などが注目されているようだった
- Seffah, Ahmed, and Eduard Metzker. "The obstacles and myths of usability and software engineering." Communications of the ACM 47.12 (2004): 71-76.
著名な書籍や文献など
- Nielsen, Jakob. Usability engineering. Morgan Kaufmann, 1994.
- 規格など
- 堀部保弘, and 山本雅康. "ユーザビリティ・エンジニアリング: 2. ユーザビリティ工学と国際規格." 情報処理 44.2 (2003): 128-135.
- 組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め ―ユーザビリティ編 https://www.amazon.co.jp/dp/4798111902
- どこかにPDF公開されてたんだが再度見つけられず
- 非常にわかりやすい資料だった
- ソフトウェア工学に関係する文献
- Bias, Randolph G., and Deborah J. Mayhew, eds. "Cost-justifying usability: An update for the Internet age." (2005).
- Seffah, Ahmed, and Eduard Metzker. "The obstacles and myths of usability and software engineering." Communications of the ACM 47.12 (2004): 71-76.
- ユーザビリティ工学や人間工学の分野がソフトウェア工学を参照しきれておらず、ユーザビリティに関する定義のコミュニーションがもっと必要だよね、という問題提起と整理をしてくれてる
- 最近も引用がされてる様子だった
雑多なメモ
- 思っていた以上にユーザビリティに関する議論を把握するのに苦労した
- "ユーザビリティ・エンジニアリング: 1. ユーザビリティ工学の背景と概説."で述べられていた"インターフェース"という領域が出てきて問題が諸々出てきた、という説明は理解しやすかった
- Cost-justifying usabilityはもう少し読みたい
- ユーザビリティ、という言葉を使うときは注意して使う必要がある、とよく理解できた
- サーベイした上で、ソフトウェア工学においてはSQuaREを参照してユーザビリティの議論をすることで良いが他の分野の方と議論する際にはサーベイしたことを踏まえて丁寧に議論が必要そうだ