masayuki5160's diary

ソフトウェアエンジニアの雑多ブログ。最近は日常のこといろいろ書いてます。

再現性があるよう要求定義をしたいけどなかなか難しい

最近よくごちゃごちゃした案件の要求定義を担当することがある。僕が得意だから、ということではなくて、やっぱりこの部分をやりたがる人はそんなにいないのと、面倒で辛いから、というのがある気がしてる。僕が担当する案件は、関係者も多く、事業としての優先度も高い案件であることが多い。ビジネス側の事情やプロダクトの状況などを、俯瞰してとらえることが大事だったりする。

この役割を担当できてるのは、僕個人の能力がどう、というよりおっさんになったからだと思う。いろいろ経験してきたことによる、ていう。あと、今の勤め先もなんやかんや長く勤めてるので、それにも助けられてる。ウェットなコミュニケーションもやりやすいということ。これは長く勤めることのメリットなんかな。組織からの僕への期待値もこの規模の案件はうまいことやってほしい、的なのが評価基準としてあったりする。それは良くて、期待値についても納得してる。最近気にしているのは、僕がうまいことやることは置いておいて、他の人がやっても同じ結果になるような再現性のある方法にまとめたい。つまり、再現性のある要求定義をしたい。

要求工学に関する本で、僕がよく読むのは要求工学概論なんだけど、良くも悪くもアカデミックよりに仕上がっているので実際の現場で何が使われてるかはわかるようなわからないような感じ。もちろんトップSEの本だから現場を意識して書いてる気がするんだけどなかなか難しい。

 

 

僕も自分の狭い経験の中で要求定義のことを捉えているのでもっと広く現場で何されてるんだろうな、というのを改めて知りたいなと仕事終わりに本屋に行って以下2冊を買った。

 

 

 

ざっとAmazonで見て、気になっていた本が数冊あったんだけど、一通り実際に見た中でこの2冊がちょうど読みたい感じになってたから購入。なかなか面白いなと思ったこととして、SIの方が書いた内容の本よりもビジネスよりの経験が多い方が書いた本の方がわかりやすい印象を受けたこと。もちろんやさしい内容だったらいい、というわけではないし、そういう意味では要求工学概論は気合い入れないとしっかり理解して読めない。でもそれだけの価値がある本で今まで何度も助けられた。一方で昨日ざっといくつか読んだ本はビジネスのキャリアが多い方が書いた本の方がわかりやすかった。ちなみにわかりやすかった、というのはほんとにざっと見た印象だけだから雑いです、すいません。

 

再現性のある要求定義をやりたい、な話に戻すと、先人のおかげで色々なツールはあるから、それらをその時々自分の引き出しから出して使うことでうまく作業を進めることはできると思う。ただやっぱこのツールを使いこなすことも難しいし、あと、要求獲得の難しさは悩ましい。この辺の話があるからビジネス経験のある方の書いた本の方がわかりやすいとかあるんかなとか思ったけどどうなんだろう。

僕個人は要求工学は大切だと思っている。現場で役立つものだと確信してる。でもなんか実際の現場では馴染んでいないようにも感じる。言い過ぎかもだけど。もちろんこの分野で発展してきたこツールはよく使われてる気もする。ただ、体系的に学ぶことは少ないと思う。DXがうまくいくとかいかない、の話はいろいろ原因があると思うけど、要求工学を体系的に学ぶ機会を提供できると一定効果があるんじゃないかなと思う。

要求工学にも悩ましい課題があるんじゃないかと思っていて、それは要求工学の話をしていると、話が抽象化されすぎてシステムの話をしてないように見えることがあること。MBAのコースで扱うような話題のように見えたりする。僕個人の意見としては、それそのものはいいと思っている。でも、経営?とソフトウェア工学の間の話題?を扱うからか、エンジニアや、さらに近しい分野の研究者の方でもあまり好意的に見てない方もいるんだろうなと感じてる。そこの話は興味はないんだよね、と耳塞いでる人も多いのかなと。それもいいと思うんだけど、要求定義うまくいかなくて失敗するソフトウェア開発のプロジェクトがあるんだから、要求定義というプロセスがソフトウェアを作る際の大事なプロセスの一つだという認識がもうちょい広がるといいんだけどな、とよく思う。興味は持たなくてもいい。でも大事だよな、ていう。

こんなことを書いてると、田中さんは要求定義の話大好きなんだね、と思われてそうだけど、そうではない。結果的にそういうことを話す機会が多いだけかなと思う。

 

これから関わる案件を担当するにあたって、改めて時間とって要求工学周りのサーベイをする予定。それでせっかくだから今担当している案件で何か課題設定してトライできることがないか考えてみる。LLMの活用はひとつ要求定義において再現性の問題を改善する可能性のあるアプローチになるんだと思う。まだ深く調べてないけど普通にいろいろ活用してみた、ていう論文はすでにいっぱいあるはず。僕がぱっと思いつくぐらいなんだから。要求定義に関係するドキュメントの自動生成とかやられてそう。それもしたけど個人的にはまとめた要件に過不足ないか、みたいなのをLLM使うことで第三者レビューうまくできないか、とか検討してみたい。誰かすでに研究してそうだけど、してるなら必要な研究てわけだし実践事例として論文まとめやすい。なんにせよ、一度サーベイして、来年くらいになんか論文出せたらいいな。