masayuki5160's diary

ソフトウェアエンジニアの雑多ブログ。最近は日常のこといろいろ書いてます。

アジャイルとスクラムの違い

本記事ではアジャイルとスクラムについてお話をします。特によく聞かれることがあるアジャイルとスクラムの違いについてまとめていきます。アジャイル、スクラムを学び始めた方がよく疑問に思う事柄だと思います、参考になれば幸いです。

 

アジャイルとは

さて、まずはアジャイルとはから考えてみましょう。こちらは書籍から引用してみます。

 

アジャイル開発とは、変化に迅速に対応することを目指した軽い開発手法の総称である。この用語自体は開発プロセスモデルの名称ではないが、プロセス上の特徴として、短期間に活動を繰り返しながら段階的に開発を進めていくこと、その繰返しの中でユーザとのやりとりを密に行う点などが指摘できる。ソフトウェアを取り巻く環境の変化は激しいため、重厚長大な開発計画を立てても、システム開発を行なっている間にそのシステムが陳腐化してしまう。アジャイル開発は、より軽量な開発を行いながら、変化に対応しつつ、その時のベストエフォートで使えるシステムを提供するという開発スタイルをとる。 出典:ソフトウェア工学

 

 

ポイントはアジャイルとはあくまで開発スタイルの総称であるということだと思います。文脈によって様々な解釈があり得ますが基本的にはこの理解でいいかと思います。

そしてアジャイルの全体像を示す図として下記が非常にわかりやすいと思います。

 

出典:Agile Scrum Methodology: Complete Guide for Developers and Testers

 

こちらの図をご覧ください。

アジャイルという木の幹にカンバン、スクラム、リーン、XPと木の葉がついているのがわかりますね。アジャイルの全体像はこの図が綺麗に表しています。まずアジャイルという考え方があり、それらをベースにそれぞれの開発手法が定義されているということです。もう少し詳細にアジャイルについて知りたい方は下記記事でも詳細についてまとめていますので合わせてどうぞ。

 

https://masaytan.com/archives/809

これでアジャイルとスクラムの関係性について整理できたのではないでしょうか。

さて、次はスクラムについて少し整理してみましょう。

スクラムとは

次はスクラムについてです。

前述の通りスクラムはアジャイルという考えが元になっており、アジャイル開発手法の一つになります。そしてこのスクラムという開発手法は下記ドキュメントが全てです。

出典:スクラムガイド - Scrum Guides

こちらは日本語訳されたスクラムガイドです。スクラムというフレームワークのルールはここにあるものが全てです。20ページもないボリュームのドキュメントのためすぐに読めるのですが実際にこのスクラムを実践するのはなかなか難しいです。

下記グラフは各国の認定スクラムマスターの人数です。スクラムはアジャイル開発手法の一つではありますが多くの方が興味を持ってスクラムについて学んでいることがわかりますね。

出典:非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査報告書

このようにスクラムはアジャイル開発手法の中でもよく知られている手法の一つになります。スクラムについてより詳細に知りたい方は下記記事で詳細にまとめていますので参考にしてください。

https://masaytan.com/entry/archives/663

アジャイルとスクラムの違い

さて、本題のアジャイルとスクラムの違いについてです。

ここまで読んで頂いた方はお気づきかと思いますがスクラムはアジャイル開発手法の一つになります。再掲しますが下記図が一番の理解に役立つでしょう。

出典:Agile Scrum Methodology: Complete Guide for Developers and Testers

 

そのためアジャイルとスクラムは言葉としては違うものではありますが、根本にある考え方は同じだと言えるでしょう。

アジャイルとスクラムってどう違うんだっけ?、と時折混乱することもあると思いますがこの図を覚えておけばその関係性を思い出せるでしょう。また、カンバン、XP、Leanについても同様に関係性や違いについて混乱することがありますがこの図のようにアジャイルの考えがベースになっていることがわかりますね。少し薄くなっている葉のSAFeというのは大規模アジャイル開発のフレームワークの一つです。日本では最近富士通がSAFeを推進するScaled Agile, Inc.とパートナーシップ契約をしたことが知られています。

富士通、米Scaled Agile, Inc.とパートナーシップ契約を締結し、 エンタープライズ領域における大規模アジャイルを推進

日本ではまだ事例が少ないと思いますがSAFeは比較的規模の小さな組織でのアジャイルから大きな組織でのアジャイルまでカバーしており海外では事例が最も多い企業向けのアジャイルのフレームワークです。以下グラフでは企業で複数チームでアジャイル開発を行う時のフレームワーク選定を示しています。グラフで示すようにSAFeが最も選択されているフレームワークとなっています。

出典:Beyond SAFe – Trends in Agile Scaling Approaches 2020

それでは本記事は以上です。アジャイル、スクラムについては下記記事で関係のある記事をまとめていますのでぜひご一読ください!

 

https://masaytan.com/entry/archives/678

https://masaytan.com/entry/archives/663