本記事ではスクラム開発についてお話ししていきます。日本国内でも年々スクラムへの注目度は高まっていますがまだまだ実際に経験している方は少ない状況だと思います。今回は実際の僕自身の経験も踏まえスクラム開発についてお話ししてみます。
スクラムとは
スクラムとはアジャイル開発手法の一つです。
スクラムはアジャイル開発手法の思想をベースにしたフレームワークであり明確にルールがあります。そしてそのルールはしっかりと明文化されています。下記がスクラムの全てであるスクラムガイドになります。日本語にも訳されているのはありがたいですね。
出典:スクラムガイド - Scrum Guides
ボリュームも少ないのでぜひ一度目を通りして頂くといいでしょう。
さてせっかくですのでスクラムガイドからスクラムとはなんなのか引用してみます。
複雑で変化の激しい問題に対応するためのフレームワークであり、可能な限り価 値の高いプロダクトを生産的かつ創造的に届けるためのものである。 出典:スクラムガイド - Scrum Guides
スクラムガイドにも記載がありますがフレームワークであるというのは大事なポイントですね。フレームワークですので考え方、思想、ルールがある程度まとまったものになります。そしてこちらもご紹介しておきます、スクラムにおいては結構有名な話ですね。
スクラムとは、以下のようなものである。出典:スクラムガイド - Scrum Guides
- 軽量
- 理解が容易
- 習得は困難
ポイントは最後のところですね、習得が困難、という点。この話はよく聞くことになると思います。
これはどういう意味かというと実際に概念、思想を理解することはスクラムガイドが20ページほどしかないことからわかるように容易なんですが、実際にそれを現場で実践することは大変、ということを言っています。
スクラムについては下記記事でより詳細にまとめていますので詳しく知りたい方はこちらを参考ください。
https://masaytan.com/archives/663
さて、これらは僕自身も現場でスクラムマスターをしながら感じていることです。
実は認定スクラムマスターの研修に行って資格を取ることは非常に簡単なのですが実際に現場でスクラムを実践することは非常に難しいです。この辺りの話は次の章でしましょう。
スクラム開発の現場
さて、それではスクラム開発の現場は一体どんな感じなのでしょうか。
まず1週間の流れは概ね以下のようなことが多いでしょう。
※1スプリントの期間設定はチームによりますが多くのチームは1週間ですのでそれを前提に話します。詳細について知りたい方は下記記事も合わせてぜひ。
https://masaytan.com/archives/769
出典:アジャイル開発
こちらの図はスクラムでの開発の流れをざっくり表しています。全体のイメージの参考としてみておいて頂くといいでしょう。
さて、もう少し具体的に示すと下記のようになるでしょう。あくまで一例ですが1週間スプリントをしているチームの様子は例えば下記のようになります。(木曜日始まり、水曜日終わりのスプリントをしているスクラムチームの様子です。)
- 月曜日:ー
- 火曜日:ー
- 水曜日:スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブ
- 木曜日:スプリントプランニング
- 金曜日:ー
※デイリースクラムは毎日
※リファインメントはチームによって実施タイミングは様々かと思いますがチームの作業時間の10%ほどと目安はあります(下記引用参照)
プロダクトバックログのリファインメントによって、アイテムのレビューと改 訂が行われる。いつどのようにリファインメントをするかは、スクラムチームが決定する。リファインメ ントは、開発チームの作業の 10%以下にすることが多い。 出典:スクラムガイド - Scrum Guides
これを毎スプリント繰り返すのがスクラムですね。スクラムをしていると開発にリズムが生まれ少しずつ改善が進み、プロダクトもチームもよくなっていくことを感じやすいなと僕は思っています。他の手法ではなかなか感じられないことかもしれませんね。この辺りはスクラムガイドにも記載のあるようにスクラムが経験主義にもとずいて設計された手法であるためそういった成長を感じやすいのかもしれません。
スクラムは、経験的プロセス制御の理論(経験主義)を基本にしている。経験主義とは、実際の経 験と既知に基づく判断によって知識が獲得できるというものである。スクラムでは、反復的かつ漸 進的な手法を用いて、予測可能性の最適化とリスクの管理を行う。 出典:スクラムガイド - Scrum Guides
さて本記事は以上になります。スクラム開発について少しでもイメージがついたら嬉しいです。
最後に僕個人のオススメになりますがスクラムについてまず実践的な話を知りたい方には下記書籍をお勧めします。多くの企業での実践経験が掲載されており、スクラムについてのルールもまとまっている素晴らしい書籍です。
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それではどなたかの参考になれば幸いです。