本記事ではスクラムの用語をまとめてみます。スクラムにはスクラムの用語がいくつもありますのでざっとおさらいをしてましょう。
本記事ではスクラムガイドに出てくる用語を中心にリストアップ、解説していきます。
プロダクトオーナー
スクラムガイドには以下のように記載されています。
プロダクトオーナーは、開発チームから生み出されるプロダクトの価値の最大化に責任を持つ。 出典:スクラムガイド
また、スクラムにおいてプロダクトオーナーはプロダクトバックログの管理にも責任を持ちます。
プロダクトオーナーはスクラムにおいて非常に重要な存在です。
スクラムマスター
スクラムマスターはスクラムにおいてスクラムを行なっているチームを支援すること役割を担います。
スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されたスクラムの促進と支援に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムの理論・プラクティス・ルール・価値基準を全員に理解してもらえるように支援することで、その責任を果たす。 出典:スクラムガイド
スクラムマスターはスクラムについて理解をしていることも大切ですが周囲にスクラムを理解してもらえるよう行動をすることも非常に重要な役割です。特にはじめてスクラムを導入するような時にはうまく組織に説明をする必要があるケースもあります。そういったケースには特にスクラムマスターがうまく立ち振る舞うことで結果的にスクラムチームを支援することができるでしょう。
スプリント
スプリントはスクラムにおいてイテレーションを行うタイムボックスのことを指します。スクラムガイドにも記載がありますがスクラムにおいて出荷可能な成果物を開発するスプリント期間は1週間〜4週間です。
またスプリントはデイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブで構成されています。
スプリントは、スプリントプランニング・デイリースクラム・開発作業・スプリントレビュー・スプリントレトロスペクティブで構成される。 出典:スクラムガイド
スプリントプランニング
スプリントプランニングはスクラムにおいてスプリントの開始に行うそのスプリントに行う作業計画のことです。
スプリントの作業はスプリントプランニングで計画する。これはスクラムチームの共同作業である。 出典:スクラムガイド
スプリントプランニング時には実際に新しく始まるスプリントで行う作業詳細をチームで書き出していくわけですがリファインメントがうまくいっていないと作業がうまく進まないことがあります。そういった意味でスプリントプランニングは準備が大切でしょう。
デイリースクラム
デイリースクラムは日本語では朝会というような言葉だとよりわかりやすいかもしれませんね。15分程度の短い時間でその日やる作業や前日までの作業進捗のシェアを進める時間です。
毎日チームで行いますが特に実施時間についてはチームで合意が取れいればいいでしょう(朝である必要性は特にないです)。なお深い議論をしないといけないような状況になりそうであれば別途ミーティングを設けるよう調整することが大切です。
スプリントレビュー
スプリントレビューは成果物のレビュー会です。そのスプリントに仕上がった成果物をチーム内でレビューします。
スプリントレビューとは、スプリントの終了時にインクリメントの検査と、必要であればプロダクトバックログの適応を行うものである。スプリントレビューでは、スクラムチームとステークホルダーがスプリントの成果をレビューする。スプリントの成果とプロダクトバックログの変更を参考にして、価値を最適化するために次に何ができるかを参加者全員で話し合う。 出典:スクラムガイド
慣れるまで実際にこのスプリントレビューの時間を効率的に行うことは大変かもしれませんが、少しずつ改善を続けステークホルダーを巻き込みつつより良い時間にしていくのが大切かなと思っています。
スプリントレトロスペクティブ
スプリントレトロスペクティヴではそのスプリントの振り返りを行います。
スクラムにおいてはフレームワークにこういった振り返りをする時間が設けられておりチームが成長するためのきっかけにもなります。
スプリントレトロスペクティブは、スクラムチームの検査と次のスプリントの改善計画を作成する機会である。 出典:スクラムガイド
チーム全員で取り組むことではありますがスクラムマスターはうまくこの場をリードできるとチームも成長しやすいでしょう。
プロダクトバックログ
プロダクトバックログはプロダクトに必要な項目を並べた一覧です。プロダクトの新しい機能、改修内容、要望などがそれぞれの項目に記載されており、プロダクトオーナーがその管理に責任を持ちます。
プロダクトバックログは、プロダクトに必要だと把握しているものをすべて順番に並べた一覧である。プロダクトに対する変更要求の唯一の情報源である。プロダクトオーナーは、プロダクトバックログの内容・可用性・並び順に責任を持つ。 出典:スクラムガイド
プロダクトバックログは完成することはなくチームと協力しつつ少しずつ詳細化を進め実際の作業に進めていきます。
プロダクトバックログに含まれるアイテムに対して、詳細の追加、見積り、並び替えをすることを、プロダクトバックログのリファインメントと呼ぶ。これはプロダクトオーナーと開発チームが協力して行う継続的なプロセスである。プロダクトバックログのリファインメントによって、アイテムのレビューと改訂が行われる。 出典:スクラムガイド
プロダクトオーナーとこういった作業を繰り返すことでスプリントプランニングを行う際には開発チームが詳細な作業出しを行える状態になっていることが理想です。
スプリントバックログ
スプリントバックログは詳細な作業計画です。開発チームはスプリントプランニングで作成しデイリースクラムで進捗を確認し、また必要であれば追加をしていきます。
スプリントバックログは、スプリントで選択したプロダクトバックログアイテムと、それらのアイテムをプロダクトインクリメントにして届け、スプリントゴールを達成するための計画を合わせたものである。スプリントバックログは、次のインクリメントに含まれる機能と、その機能を「完成」したインクリメントにして届けるために必要な作業について、開発チームが予想したものである。 出典:スクラムガイド
プロダクトバックログと違い、こちらはプロダクトオーナーが責任を持つということはありません。開発チームが成果物を作っていくときの詳細な進捗を管理するためのものになります。
「完成(Done)」の定義
Doneの定義はスクラムの用語の中でもはじめは理解が難しいものの一つでしょう。
プロダクトバックログアイテムやインクリメントの「完成」を決めるときには、全員がその「完成」の意味を理解しておかなければいけない。スクラムチームによってその意味は大きく異なるかもしれないが、作業の完了についてメンバーが共通の理解を持ち、透明性を確保しなければいけない。これは、スクラムチームの『「完成」の定義』と呼ばれ、プロダクトインクリメントの作業が完了したかどうかの評価に使われる。 出典:スクラムガイド
何を持って完成したのか、作業が完了したのか、ということの共通認識と理解するのがいいでしょう。
Aさんが、"作業が完了した"、と言っていた時にAさんが言った完了した、という意味とBさんが受け取った"完了した"という意味合いが異なることはありえます。Bさんはユニットテストをパスすることを確認していないが作業を完了した、と報告しているが、Bさんにとってはユニットテストがパスすることを確認までして作業が完了した、という認識があったり、というケースですね。そういった認識の齟齬はよくあるでしょう。それらを示し合わせておくためにDoneの定義があります。
さて本記事はこれで以上になります。
スクラムについては下記記事でもまとめていますのでぜひ一緒にご覧ください、では。