Xでおすすめされているのを見て読んでみた。実はあんまり知らない業界なのですごく楽しく読めた。
特に面白かったことは半導体産業が斜陽である、ていうことをずっと聞いてた身としては実はそれが日本における半導体産業の構造上の問題であったり、メディアとの関係性であったりそういったことも関係しているのでは、ていう話。解釈がこれであってるかあれだけど、それにしてもこの一連の話は面白かった。この辺り。
“日本では、世界をリードするための「第 5世代コンピュータ」プロジェクトが進められたが、世界のコンピュータ業界は、先端コンピュータより使いやすいコンピュータを求めるダウンサイジングの動きに向かっていた。しかし、経済産業省も各総合電機メーカーもこの動きに乗れなかった。その結果、コンピュータ分野での世界競争に敗退し、半導体も敗退したのである。”
— エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界 by 津田 建二
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“それにもかかわらず、総合電機メーカーの経営者たちは、「半導体の業績が悪いから会社の業績が悪い」と喧伝していた。マスコミはこの言葉を信じて、半導体は斜陽産業であり、いかに抜け出すかが総合電機メーカーの飛躍につながると報道した。
経営者たちの言葉を信じたがゆえに「半導体 =斜陽産業」という図式がマスコミのなかにでき上がってしまった。実際には、半導体は斜陽産業などではなく、単に経営者たちが IT化への動きに鈍感だっただけなのだ。”
— エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界 by 津田 建二
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当時のことを思えば、たしかにメディアは電機メーカに何も言えないだろうな、というのはわかる。僕が新卒社会人として就職活動する時なんて、大手電機メーカーの内定取れた人は神扱いだったもんな。研究室の教授も褒め称えるくらいだったし(僕が所属してた研究室の先生はそういう俗世から一歩引いてる先生だったからそういう話なくてよかったんだけど。まあそういう先生だからそこの研究室が僕に合うだろうと僕が無意識に選んでいたのかもしれない)。
“日本の半導体メーカーは大手総合電機メーカーであり、メディアにとって主要な広告主だ。広告主に気を使ったメディアが多かったのであろう。”
— エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界 by 津田 建二
こんな言葉もあるようだけど、まあ僕はそこまでの人生ではなさそうだからあまり今後の人生でもハードウェアとガッツリ関わるようなことはないだろう。けども人生2周目があるんならハードウェアの方に行きたい。もちろん今の知識のままの2周目なら。終わり。
“結局、 A Iで何かをしようと考える企業は、自分で A Iチップを設計しなければ性能や消費電力が満足できなくなる。パソコンの父であるアラン・ケイの言葉「ソフトウェアに対して本当に真剣な人は、独自のハードウェアを作るだろう」はここでも生きている。”
— エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界 by 津田 建二
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