masayuki5160's diary

滋賀県大津市に住むソフトウェアエンジニアの雑多ブログ

子どものデジタル環境とどう向き合うべきか━ルポ スマホ育児が子どもを壊す

 

 

著者はあとがきで取り上げた話は一部の極端な例かもしれない、と述べている。が、それでも近未来の前兆として向き合うべきでは、として本書を締めくくっている。

本書を読みながら、極端な例かもしれない、と思いつつもそう言い切れない部分もあるだろうなと考えながら読んでいた。僕が過ごした時代とは全く違うのだ。

 

本書で取り上げられている保育園や幼稚園らそして学校での話は本当に驚く内容ばかりだった。ただ、それら一つ一つを読み進めると、変に納得することもある。例えば以下。

私が親しくしている 30代の女性編集者は、子どもにスマホで「離乳食の食べ方」「スプーンの使い方」を教える動画を見せながら食事をさせ、自分は横でイヤホンをはめて仕事をしていたと話していた。離乳食の食べ方までスマホ任せにせざるをえない状況が生まれているのだ。

引用:ルポ スマホ育児が子どもを壊す

僕が子供の頃は共働きの家庭というのは少なかった。地方都市に住んでいたわけだが、もしかすると東京ではこういうことは昔からあったのかもしれない。ただ、書籍でも書かれているように現在ではそういった家庭が多数派だ。

かつて共働き家庭の子は「鍵っ子」などと呼ばれる少数派だったが、 1990年代の終わりから共働き世帯が専業主婦(夫)世帯を上回り、近年は 7割に達している。それに伴い、学童に通う子は 3人に 1人くらいになった。

引用:ルポ スマホ育児が子どもを壊す

こんな状況を考えると、本書内で書かれているさまざまな話も良くも悪くも合点がいくことが多い。

 

また、落合陽一先生は以下のように帯でコメントしている。

人類がデジタル環境に移行する過渡期の貴重な記録である

引用:ルポ スマホ育児が子どもを壊す

本書を読みながら、いくつかの話は考え込んでしまったが、世界が変わっていることに現在の日本の教育現場が追いついていないこともこの状況に一役買っているのでは、と感じていた。まさに落合先生の言っていることはこのことなんだろう。

ただ、デジタル教育も見直しの流れも出てきている。

子供のデジタル機器使用については、スウェーデンでも制限の動きが出ている。

政府は2月の声明で、デジタル教育推進政策を修正すると発表した。学校では書籍を配布し、図書館利用を進める方針。就学前の幼児教育からデジタル学習機器を外す構えを示した。背景には近年、子供の読解力の低下傾向が指摘されていたことがある。スウェーデン小児科協会は▽2歳未満にはデジタル映像を見せない▽2~5歳に見せる場合も1日1時間以内にする|などの提言を行っていた。

引用:「携帯は11歳 映像は3歳から」 仏諮問委が勧告 スウェーデンもデジタル教育見直しへ - 産経ニュース

まさに過渡期。さて、我が家はどう向き合っていくといいんだろう。悩ましい。アマゾンのおすすめ欄に出てきてたまたま手に取った本書だったが色々と考えさせられた。終わり。