masayuki5160's diary

ソフトウェアエンジニアの雑多ブログ

モバイルアプリのアクセシビリティ、どう対応していくか

TL;DR

VoiceOverやTalkBackなどの支援技術は利用しやすい状況になっている。ただ、実際にアクセシビリティ対応を進める際にはこのどこまでやるか、のバランスが悩ましい。

最終的なゴールは、モバイルアプリの場合もWCAG2.1 AAレベルを目指す、ということでアメリカのADAが示す例を参考にすると良さそう。

モバイルアプリのアクセシビリティ対応

ウホーイさんのQiita記事が全体を把握するのに役立った。

qiita.com

ウホーイさんの記事にも書いてあるが誰に向けての対応をするか、というのはポイントになる。アクセシビリティガイドラインといえばそれまでだが、そういった何かしらの指針を明確にする必要がある。

逆にいうと、iOSでもAndroidでもOS側の機能を利用すると対応そのものは比較的容易だが、それで本当にアクセシブルなアプリとなるか、というとそうではない可能性が高い。難しいのはそこのように見える。

ガイドラインを参照する

Appleのアクセシビリティガイドラインとマテリアルデザインのアクセシビリティガイドラインは以下。

developer.apple.com

 

m2.material.io

 

両方読んだが、マテリアルデザインの方のアクセシビリティについての記述の方が非常にわかりやすかった。正確には、わかりやすかった、というのもあるがちょうど僕が知りたかったことが書かれていた、ということの方が正しいかもしれない。

 

ただ、よくよく考えると、ガイドラインに書かれているようなことは"Webアプリケーションアクセシビリティ"の本で書かれているように思った。読み返してみると、画像などへのalt(代替テキスト)の挿入例は知りたかったことの一つだが、具体的にどういう内容がいいか含めてしっかりと書いてあった。Webアプリケーションであっても、モバイルアプリであっても、この辺りは共通する部分が多い、という理解で良さそうに思う。

 

モバイルアプリのアクセシビリティ規格はある?

ガイドラインも読みつつ、 "Webアプリケーションアクセシビリティ"も読んでなんとなくやるべきことは把握できたけど、やはり本当にそれで自信を持ってアクセシビリティ対応ができてるかどうか、というのは気になる。

WebアプリケーションであればWAICというのがあるので、そこに合わせて対応していけば良いのだろう。これらを基準にした評価を実施している組織もありそう。

waic.jp

ただ、モバイルアプリに関してはぱっと見なさそう?に見える。大体こういうのは海外の方が進んでいるから、他も調べようと思ったら、とりあえずアメリカの情報が引っかかった。

 

www.tpgi.com

 

サイト上には、以下のように記載されていた。どうもADAというのが障害を持つアメリカ人法という法律?のようで、そこにmobile appのアクセシビリティについて述べられているとのことだった。

 

The legal requirements and guidelines for mobile app accessibility vary depending on the country and jurisdiction. In the United States, for example, mobile app accessibility is governed by the Americans with Disabilities Act (ADA) and Section 508 of the Rehabilitation Act.

引用: Mobile Accessibility: How to Create Accessible Mobile Apps - TPGi

 

なるほど、と思い、早速そのADAに関して調べてみたら、確かにしっかり記載があった。

 

www.ada.gov

 

全部は読んでられないが、以下のように書いてあった。つまり、ADAにおいてはモバイルアプリに対してWCAG 2.1 AAレベルを満たすことを要求している。

 

Requirement: The Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) Version 2.1, Level AA is the technical standard for state and local governments’ web content and mobile apps.

引用 Fact Sheet: New Rule on the Accessibility of Web Content and Mobile Apps Provided by State and Local Governments | ADA.gov

 

WCAG2.1はウェブコンテンツに関するアクセシビリティの国際的なガイドライン。存在は知っていたけど、まさかモバイルアプリについてもそれに従うように、という話になっているとは思わなかった。

が、正直概ね同じになるはず、とは思っていたからわかりやすくていい。他のガイドラインあっても面倒だし。

つまり、"Webアプリケーションアクセシビリティ"をしっかり読み込みながらWCAG2.1を見て、AAレベルを達成できるよう作業を進めれば問題なさそう、ということになると思う。ちょっとやるべきことの解像度が上がってきた。

それでも残る不安

色々調べることでだいぶやるべきことと目指す方向が明確になってきた。

が、悩ましいなーと思ってWebアプリケーションアクセシビリティを読み直してたら、アクセシビリティを必要とする人に会う必要性について書かれていた。

 

誰にとって必要なのかがわかりにくい課題も持ち合わせています。活動を継続するには、アクセシビリティを切実に必要とする人と直接に出会う必要があります。

引用:Webアプリケーションアクセシビリティ──今日から始める現場からの改善 (WEB+DB PRESS plus)

 

まさに気にしているのはここだった。

iOS、AndroidともにOS側から提供される技術的な支援は十分あるから、アプリケーション側がそれを対応する難易度は高くない(他方、作業量の多さは課題となると思う)。そして、アメリカのADAで示されるように、モバイルアプリについてもWCAG2.1 AAレベルを目指せばいい、ということでゴールは明確になった。

でも、使ってもらってフィードバックもらいながら、本当に使いやすいのかの確認は必要。具体的にどうそこを進めることができるかは悩ましいが、何かそういったアプローチは時間がかかってもした方がいいだろう。これはプロジェクトやりながらだろうな。

まとめ

モバイルアプリのアクセシビリティ対応は技術的にはプラットフォーム側の用意がしっかりしているので、それらを使うことができれば対応自体は問題にはならなそう。ただし作業量は相当なはず。そして、プロジェクトのゴールをどこに置くか、という点でいうと、WCAG2.1 AAレベルを目指す、というので良さげ。

(違ってるところとかあればツッコミくださいm)