おすすめのスクラム・アジャイル書籍
- 2019.02.23
- アジャイル
本記事では僕が実際に読んできたスクラム・アジャイル関連の書籍をご紹介します。日本語の書籍で良い書籍が多くありますのでまずは書籍を読むことで学んでいくのは良いと思います。それではご紹介していきます。
スクラム実践入門
まずはスクラム実践入門です。こちらは僕自身がスクラムマスターの役割を現場で始めた時に最もお世話になった書籍です。
これからスクラムを始める、学び始めたばかりの方には最もおすすめできる書籍です。
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スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB DB PRESS plus) 新品価格 |
こちらの書籍は下記目次の引用からもわかりますが国内でスクラムを実践してきた方々の非常に実践的な話がまとまっており参考になります。
第6章 GMOペパボの事例 -どのように導入したか-
第7章 mixiの事例 -導入失敗からの立てなおし-
第8章 -大規模開発、業務委託への適用-
出典:スクラム実践入門
いわゆるWeb系の企業での事例が多いですがそれでも現場に導入した際の苦労話などをこういった書籍という形でまとまった情報を頂けるのは助かりますね。
スクラムは初めて組織に導入するときは特に様々な関係者に説明し、理解を求める必要があったりします。特に日本企業はそうでしょう。そういうケースではやはり他の企業がどういった方法で導入してきたのか、苦労してきたのか、という事例を知ることが非常に参考になるでしょう。そういう意味でこの書籍は最も役に立つと思います。
アジャイルサムライ
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こちらは有名な本なのでご存知な方も多いでしょう。
タイトルにあるとおりアジャイルに焦点をあてている本です。スクラムについても記述がありますが他のフレームワーク(リーン、XPなど)と随所で比較しながらお話をしてくれる書籍になっています。
また、内容も非常にユニークで読みやすい形になっています。アジャイルサムライ学べる内容については以下のようなものになります。
・アジャイルプロジェクトの準備とキックオフをうまくやる方法。プロジェクトの意義や目的をはっきりとさせておけば、誰のために何をしたらいいかよくわからない、といった混乱とは無縁になれる
・要素を集めて見積もり、計画を立てる方法。それもわかりやすく、風通しよく、誠実なやり方で。
・ものすごい勢いで成果をあげていくための手法。プロジェクトを手入れの行き届いた機械のようにして、質の高い、リリース可能なコードを生み出し続けられるようになるにはどうすればいいか。
君がプロジェクトを率いる立場にあるなら、プロジェクトの最初から最後までメンバーを導いていくためのツールとして本書を使える。
出典:アジャイルサムライ
スクラム実践入門は実例が多い書籍になっていますが、このアジャイルサムライはそれと比較するとそういった情報は少ないですね。イメージ的には読みやすい教科書的な内容になっているという印象です。おすすめですのでぜひこちらも一読ください。
アジャイルな見積もりと計画づくり
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アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~ 新品価格 |
こちらは前述のスクラム実践入門と比べるとより深く突っ込んだ内容になっています。特にすでにスクラムをいくらか理解し、実践した方にとっては非常に気づきが多い書籍となるでしょう。タイトル通りアジャイル、スクラムにおける見積もりにおいて非常に多くの知見を得られます。自身の考えをまとめるためにも、気づきを得るためにも非常に素晴らしい書籍です。
スクラムを続け、スプリントを重ねていくと徐々にこの見積もりの話はレトロスペクティブの場でもよく話題に上がるでしょう。その際に本質的にアジャイル・スクラムでしている見積もりのことを理解していないと話が空回りするということは結構あるように思います。その時にこの書籍を読み返したりするとスッキリ理解できるでしょう。僕自身もそういったことを経験しなんどもお世話になってきました。
なかなかボリューミーな書籍ですのでスクラムに慣れてきてからこちらを読んだりするのが良いでしょう。
大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS)
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大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法 新品価格 |
こちらは大規模スクラム、特にLeSSに関する書籍です。
大規模なアジャイル開発手法、スクラム手法については欧米諸国では以前より事例が数多くありますが日本ではまだまだ少ないと思っています。年々国内での事例も増えていますが最近ではこのLeSSを導入している事例をよく聞きます。
僕自身もLeSSでの大規模スクラムの経験はあり、こちらの書籍を読んでいました(当時は翻訳版がなかったためオリジナルの英語版を読んでいました)。
スクラムをベースに大規模にスクラムをする設計になっているためスクラムを理解している方にとっては比較的すんなり理解できるでしょう。スクラムでもそうなのですがLeSSは大規模であるため実践するのがより難しいわけですがそういった点についてはカンファレンスなどでの事例を聞きながら情報収拾するのもありかと思います。
楽天でのエンタープライズアジャイルとDevOps
こちらは書籍ではなく論文になります。
楽天でのアジャイルの取り組みが記されています。こういった大企業のアジャイルの取り組みの詳細が読める文献は非常に少ないため参考になる点が多いと思います。アブストラクトだけ引用します。
本稿ではエンタープライズアジャイルの1つの実例として,部署やチームを越えたDevOpsプラクティスの導入の事例について紹介する.楽天では部門ごとに自動化が進展してきたが,エンタープライズ特有の課題として複数の担当,部署間の作業の受け渡しに改善の余地があると考えた.そこで従来の役割分担を超え,インフラ構築・デプロイ・テスト・稼働監視まで一貫した自動化を行った.その結果,全体工程で99.40%という大きな時間短縮を実現した.技術勉強会や自社カンファレンスなどの機会を通じた情報共有やコミュニティ構築により,部門横断的な取り組みが成功した.
論文を読み慣れていない方も多いと思いますが、国内でもそうですが特に海外でスクラム、アジャイルに関する論文は数多くありますので時間があればそちらから情報を集めるのもいいかもしれません。
ビジネス系
最後は少し毛色が違いますがビジネス書籍に分類されますがアジャイル、スクラムに関する書籍を2冊ご紹介します。
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ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2018年 7 月号 [雑誌] (アジャイル人事) 新品価格 |
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アジャイル、スクラムはソフトウェアの開発手法として発達してきました。ソフトウェア開発以外の領域でどういった経緯で適用されるようになり、注目されるようになったかははっきりとはわかりませんが、ソフトウェア、ITが企業の事業発達においてキーファクターであることは間違いありませんので現場でアジャイル、スクラムを導入しているうちに他の領域でも適用されることが増えていったのでしょう。
特に欧米諸国ではほとんどのソフトウェア開発現場でアジャイル開発の手法が取り入れられているためそういった流れになっても不思議ではありません。
上記2冊はビジネス書としてスクラム、アジャイルの考えを紹介している書籍です。ハーバードビジネスレビューでは実際に人事の領域でアジャイルの考えを取り入れている事例を紹介しています。そして2冊目の書籍はビジネス書のカテゴリではありますがスクラムの提唱者であるジェフ・サザーランド博士が書かれている書籍です。
ビジネスの現場でどうった形で注目されているかについても把握しておくと良いでしょう。スクラムマスターとして他の関係者を巻き込む時にこういった事情を把握しておくと話を進めやすいかもしれませんしね。
それでは本記事は以上です。アジャイル、スクラムについては下記記事で詳細にまとめていますので合わせて参考になればと思います。
それでは以上です、どなたかの参考になれば幸いです。