アジャイル関連の資格まとめ

本記事ではアジャイルに関連する資格をまとめてみます。数は少ないようですが新しい資格も出てきているようで僕も調べてはじめてしった資格もありました。資格取得を目指すことは自身の知識の底上げに繋がりますので興味ある方はぜひ受験してみるといいでしょう。

 

2019年9月更新:アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験 レベル2について追記

2019年12月更新:Udemy アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座について追記

アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験

こちらは僕自身もはじめて知った資格です。2017年2月から本格的に試験がスタートしているようです(2015年頃より試験はあったものの、多くの人が受講できるようになったのがこの頃のようです、ちょっと詳細までは深く調べきれていません)。僕自身も受験したことはないのですがサイトをみる限りアジャイル開発に関するスキル、知識についての試験のようです。

 

アジャイル開発のスキルを客観的な尺度で分析・判定するのが、アジャイルソフトウエア開発技術者検定試験です。

試験システムとして、CBT(Computer Based Testing)を採用しています。いつでも、どこでも受験することができます。4肢択一スタイルの問題、平均で70%の正解率を得られるよう、難易度を調整しています。
合格基準は80%以上の正解率です。

出典:アジャイル検定とは

 

試験にはレベル1とレベル2があります。レベル2については2019年6月より開始されました。

レベル1についての内容は以下のように記載があります。

 

出典:アジャイル検定とは

 

レベル2については2019年6月より試験が開始されており扱う項目は以下のようになっています。(一部抜粋します)

 

出典:いま必要なアジャイル開発『アジャイル検定レベル2開発チームメンバー試験』 2019年6月7日(金曜日)全国でスタート

 

こちらは一部のテスト項目ですが出題範囲も広いことがわかります。モデリングについても出題範囲になっていますね。試験全体を通して下記方針がありレベル1より深い知識、スキルを判定するような試験になっているのでしょう。

 

アジャイルソフトウエア開発技術者検定試験で問う内容

アジャイル開発でチームを組んでソフトウェアをするための基本知識。具体的には、アジャイル宣言等にあるアジャイルに関する概念や知識。

  • プロジェクトを管理するアジャイル開発での考え方。
  • アジャイル開発をチームで迅速に行うためのプロセスに関する知識。
  • アジャイルのプラクティス(テスト駆動開発や常時結合など)
  • アジャイル開発での要件や機能の扱い方法、プロセスの進捗管理方法など。

出典:アジャイル検定とは

 

レベル1については試験学習用のテキストが販売されておりそちらを使って学習を進めることで試験対策はできるようです。こういった試験本は体系的に情報がまとまっていますのでアジャイルについて学習を進めるにはちょうどいい書籍だと思います。試験に興味がある方も、アジャイルについて体系的に一度理解したい方にもおすすめできる内容になっているでしょう。

 

アジャイル検定公式テキスト アジャイルソフトウエア開発技術者検定試験 レベル1対応

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Scrum Alliance®公認研修

こちらはアジャイル関連の資格で最も有名な資格だと思います。認定スクラムマスターを名乗る方々のほとんどがこちらの研修に参加し資格を保有していると思います。認定している資格はいくつもありますが最も取得者が多いのは下記資格でしょう。

 

  • 認定 プロダクトオーナー 研修(CSPO)
  • 認定 スクラムマスター 研修(CSM)

 

僕の同僚もこれらの資格を持っている方は非常に多いです。

研修自体も非常に評判が良くて参加したことのある方は口を揃えてぜひ参加すべき、とお話をしています。座学だけでなくディスカッションもみっちり行うことが研修の特徴のようですね。下記CSMの研修内容からも研修の密度の濃さが伺えます。

 

学べること
多くの実践的な演習、応用問題、シミュレーションなどの様々な スクラム の疑似体験により、 スクラム の基礎~応用の理論から実践 までを幅広く学び、深く理解することができます。

研修内容の構成
1日目〜2日目
スクラム の概念、背景、各役割、経験に基づくプロセス制御、 スクラム と他の新製品開発手法との違いについて学びます。
2日目〜3日目
実践的なケーススタディ。現場で スクラム を行う上で必要となる具体的な知識と理解を深めます。

出典:認定 スクラムマスター 研修(CSM)

 

日本ではエバッキーの愛称で知られる江端さんを中心にOdd-e Japanで資格認定セミナーを開催しています。

資格取得を目指す方は下記サイトより申し込みを進めると良いでしょう。最新の情報などはTwitterでも発信されてますのでそちらも合わせて確認をお勧めします。

 

申し込みサイト:https://www.odd-e.jp/ja/service_01/index.html

Twitter:@Odde_japan 

 

注意点としては非常に人気のある研修、セミナーであるため注意しておかないとすぐにセミナーがいっぱいになりキャンセル待ちになることです。興味がある方はすぐに確認をし次の開催時期の確認を進めることを強くお勧めします。

 

Scrum Inc.認定資格セミナー

こちらもスクラムに関する資格を発行してもらえるセミナーです。僕自身はこちらのセミナーを受講し認定スクラムマスターとなりました。CSMも認定スクラムマスターなのですが運営している団体が別なため認定スクラムマスターといっても認定されている団体が異なることは知っておいていただくといいでしょう。

 

これは僕個人の意見ではありますがどちらの団体も実績があることには違いありませんからどちらの資格を取得してもいいかと思います。肝心なのは資格を取得し、実際に現場でしっかりスクラムで開発をし価値あるプロダクトを届けることですから。

 

Scrum Incでは下記資格を現在提供しているようです。

 

出典:https://scrum.esm.co.jp/training/

 

  • Licensed Scrum Master
  • Licensed Scrum Product Owner
  • Scrum@Scale
  • Scrum@Hardware

 

Scrum Allianceの資格でいうCSMがLicensed Scrum Master、CSPOがLicensed Scrum Product Ownerということになりそうですね。Scrum@Hardwareというのは特徴的ですね。なお下記がScrum@Hardwareに関する説明です。

 

Scrum@Hardware & AIは、ハードウェアおよびハードウェアを制御するAIの開発サイクルを変革する最新のアジャイル技法の一つであり、2分の1の時間で2倍の仕事を実現する技術的なプラクティスを含んでいます。Scrum@Hardwareを採用した企業は、スクラム、XP、オブジェクト指向アーキテクチャの活用により、ハードウェアおよびAIのR&D、プロトタイピング、大規模な製造を高速化することができます。Bosch(全拠点)、3M(全拠点)、John Deere(全拠点)、トヨタ(北米)、ダイムラー(ドイツ)といった企業で採用され、スクラムによる品質とスピードを両立したプロダクトのデリバリーが実現されています。

出典:https://scrum.esm.co.jp/training/hardware/

 

スクラムというとソフトウェアの開発現場で適用されるもの、と考えがちですがこのScrum@Hardwareではそうではなく世界中の自動車メーカーなどでも実績のある手法を教えていただけるということですね。

国内でもScrum.Incはデンソーなどとよくセミナーを開催していることもあり自動車業界でも積極的に活動しているようです。

欧米ではソフトウェア関連業界だけでなく全く違う業界でもスクラム、アジャイルの考えを取り入れる取り組みは非常に多く見受けられます。最近ですとハーバードビジネスレビューでもアジャイル人事として情報がまとまっていました。僕自身も興味があったためすぐに購入して読みました。

 

ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2018年 7 月号 [雑誌] (アジャイル人事)

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また、ビジネス書としてもスクラム、アジャイルに関する書籍は実は国内でも販売されていたりします。注目度の高さが伺えますね。

 

スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術

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こちらの書籍はスクラの発起人であるジェフ・サザーランド博士が書かれた書籍の日本語訳版です。興味のある方はぜひこちらもお勧めします。

 

少し資格の話とはずれますがオランダの銀行INGでは組織全体にアジャイルを導入する取り組みも行われています。内容については日本語の記事ですと下記記事がまとまっています。英語に抵抗のない方はぜひ元記事も読んでみることをおすすめします。

 

 

話を戻します。Scrum,Incではハードウェア系の業界でもアジャイルの取り組みをサポートしていますし日本にいるとそういったアジャイル関連の世界の流れを知る機会は少ないですがソフトウェア業界以外でのアジャイルの事例などに興味がある方は一度Scrum,Incのセミナーなど話を聞いてみるといいかもしれませんね。

 

ちなみに僕のオススメのスクラムに関する書籍は以下です。これから学ぼうとする方は実際に他企業でどう実践しているかを見ながら理解を深められるでしょう。

 

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB DB PRESS plus)

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Udemy アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座

Udemyではアジャイル開発についての以下オンラインセミナーが提供されています。

このうちアジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座では修了証が提供されており、履歴書やLinkedInのプロフィールでも追加できます。アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座での学習内容は以下です。こちらももちろん事前知識は不要です。こちらは約1時間半のオンラインセミナーです。ボリュームも程よいのでセールの時にでも購入してさっと見てしまうのがいいかと思います。

学習内容

  • コース終了時にアジャイル認定を受ける
  • アジャイル開発とアジャイルプロジェクトマネジメントの基礎を身に着ける
  • ユーザーストーリー、スタンドアップ、レトロスペクティブ、カンバンの使い方を理解する
  • アジャイルと古典的なプロジェクト運営の違いを知る
  • プロジェクト運営に役立つツールを知る
  • プロダクトやアプリの開発サイクルをより効率的に
  • 効率性を重視し、MVPに集中する方法を知る

引用:アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座

書籍で読むのもいいですがこういったオンラインセミナーで実績のある方々のお話を直接聞けるのはいいですね。Udemyは僕自身もよく使うのですがコンテンツも非常に豊富でおすすめです。スクラム、アジャイル関連のセミナーは全体的に高価ですのでまずはこのオンラインセミナーを受講し本格的に資格を取ることを検討するのもいいかと思います。僕自身も実は業務でスクラムでの開発をはじめてしばらくしてからScrum Inc.が提供しているLicensed Scrum Masterのセミナーに参加し、資格を取得しました。スクラムの資格を取ることが目的ではない方が多いと思いますのでUdemyでまずは資格を取り実践での経験を積み、Licensed Scrum Masterや他の資格を本格的に取得することを検討するのはありだと思います。実際に僕が一緒にLicensed Scrum Masterのセミナーを受けた際にはすでに現場ではスクラムでの開発はしているので勤め先からセミナー受講代を出してもらえるようになったため参加した、という方は大勢いました(僕は自腹で受講したのですがそういう方は少数派でしたね)。


さて本記事は以上です。アジャイルについてより知りたい方は下記記事にまとめていますのでご覧ください。

 

アジャイルとは?