スクラム関連の研修をまとめてみた

この記事では数多あるスクラム関連の研修をまとめてご紹介してみようと思います。僕自身はScrum, Incが開催している認定スクラムマスター研修に参加し現在も開発現場でスクラムマスターをとして開発に携わっています。そういった経験も踏まえ数多くあるスクラム関連の研修をまとめてみましたのでぜひご覧ください。

 

資格系

まずはスクラム関連の認定資格を提供している研修についてご紹介します。

認定資格は現在は大きく2つの組織が提供しています。

 

  • Scrum Alliance
  • Scrum Inc.

 

どちらの組織もそれぞれ実績があります。ちなみに僕自身はScrum Inc認定の認定スクラムマスターになります。こちらが試験に合格するともらえる認定証です。

 

 

どちらの資格が良い悪いということはないと思ってます。それよりもスクラムに関しては現場で実際に実践することが何よりも難しいため僕の意見としては、

 

  • まずは資格を取ることを目的にしても良いので知識をさっさとつける
  • 知識をつけたら現場でどんどん実践する

 

ということの方が大切だと思います。繰り返しますが本当にどちらの資格でもOKだと思います。それよりもさっさと知識をつけ現場でスクラムを実践しましょう、それが本来の皆さんの目的のはずですよね。

 

それでは前置きが長くなりましたが資格の紹介をします。

 

Scrum Alliance®公認研修

出典:https://www.scrumalliance.org/

Scrum Allianceが提供する資格です。様々ありますがよく知られているのは下記だと思います。

 

  • 認定 プロダクトオーナー 研修(CSPO)
  • 認定 スクラムマスター 研修(CSM)

 

僕の同僚もこれらの資格を持っている方は非常に多いです。

研修自体も非常に評判が良くて参加したことのある方は口を揃えてぜひ参加すべき、とお話をしています。座学だけでなくディスカッションもみっちり行うことが研修の特徴のようですね。

下記CSMの研修内容からも研修の密度の濃さが伺えます。

 

学べること
多くの実践的な演習、応用問題、シミュレーションなどの様々な スクラム の疑似体験により、 スクラム の基礎~応用の理論から実践 までを幅広く学び、深く理解することができます。

研修内容の構成
1日目〜2日目
スクラム の概念、背景、各役割、経験に基づくプロセス制御、 スクラム と他の新製品開発手法との違いについて学びます。
2日目〜3日目
実践的なケーススタディ。現場で スクラム を行う上で必要となる具体的な知識と理解を深めます。

出典:認定 スクラムマスター 研修(CSM)

 

なお日本ではエバッキーの愛称で知られる江端さんを中心にOdd-e Japanで資格認定セミナーを開催しています。

資格取得を目指す方は下記サイトより申し込みを進めると良いでしょう。最新の情報などはTwitterでも発信されてますのでそちらも合わせて確認をお勧めします。

 

申し込みサイト:https://www.odd-e.jp/ja/service_01/index.html

Twitter:@Odde_japan 

 

Scrum Inc.認定資格セミナー

出典:https://scrum.esm.co.jp/

 

こちらはScrum Inc.が提供する資格です。Scrum Incでは下記資格を提供しているようです。

 

出典:https://scrum.esm.co.jp/training/

 

  • Licensed Scrum Master
  • Licensed Scrum Product Owner
  • Scrum@Scale
  • Scrum@Hardware

 

Scrum Allianceの資格でいうCSMがLicensed Scrum Master、CSPOがLicensed Scrum Product Ownerということになりそうですね。Scrum@Hardwareというのは特徴的かもしれませんね。下記がScrum@Hardwareに関する説明です。

 

Scrum@Hardware & AIは、ハードウェアおよびハードウェアを制御するAIの開発サイクルを変革する最新のアジャイル技法の一つであり、2分の1の時間で2倍の仕事を実現する技術的なプラクティスを含んでいます。Scrum@Hardwareを採用した企業は、スクラム、XP、オブジェクト指向アーキテクチャの活用により、ハードウェアおよびAIのR&D、プロトタイピング、大規模な製造を高速化することができます。Bosch(全拠点)、3M(全拠点)、John Deere(全拠点)、トヨタ(北米)、ダイムラー(ドイツ)といった企業で採用され、スクラムによる品質とスピードを両立したプロダクトのデリバリーが実現されています。

出典:https://scrum.esm.co.jp/training/hardware/

 

スクラムというとソフトウェアの開発現場で適用されるもの、と考えがちですがこのScrum@Hardwareではそうではなく世界中の自動車メーカーなどでも実績のある手法を教えていただけるということですね。国内でもScrum.Incはデンソーなどとよくセミナーを開催していることもあり自動車業界でも積極的に活動しているように思います。

 

さて、次はScurm Inc.のご紹介をしようと思います。下記はサイトから引用したScrum Inc.の紹介文です。

 

Scrum Inc.はスクラム(最も広く使用されているアジャイル手法)に関する世界有数の企業です。 同社は、スクラムの共同創案者であるJeff Sutherland氏により設立されており、トレーニングやコンサルティングサービスを提供しています。 変化の激しい世の中において、何百ものグローバル企業の生産性を飛躍的に向上させ、大きな成長に寄与した実績を有しています。

出典:https://scrum.esm.co.jp/about-us/

 

スクラムに関するトレーニング、コンサルを世界中でしているというのも注目ですが何よりもスクラムの共同創案者であるJeff Sutherlandさんが設立者というのも注目ポイントですね。

日本においてはKDDI、永和システムマネジメントさんと一緒に研修事業を展開しています。前述したように僕自身はScrum Inc.認定のスクラムマスターなわけですがこの1,2年は非常に積極的に日本で活動されている印象で研修も頻繁に開催されています。

研修内容自体も非常に充実しています。僕は研修に参加した時にはすでにスクラムマスターとしてチームで活動しており、自身の知識を再確認するような意図で参加したのですがそれでも非常に気づきが多かったです。認定スクラムマスターの研修内容の紹介は下記のようにサイトに記載がありますね。

 

Scrum Inc.認定資格スクラムマスター研修はスクラムの共同創案者であるJeff Sutherland博士によってつくられました。
このコースの受講者は、何十年に渡り、世界中のビジネスの現場でハイパフォーマンスなスクラムチームを立ち上げてきた、博士の洞察や戦略を自らのものにすることができます。

この2日間のコースは、体験型のワークショップを含み、活気で溢れています。
クラスの参加者は、まずスクラムチームを構成するところから始まります。
紙飛行機ゲームやレゴなどさまざまなゲームやエクササイズを通して、スクラムマスターの役割を体感することができます。
インストラクターの助けを得ながら、チームでプロダクトバックログを作成したり、優先順位付け、バーンダウンチャートの管理をします。

出典:https://scrum.esm.co.jp/training/master/

 

僕自身が実際に経験してきたこともありお勧めできる研修です。

Udemy アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座

Udemyではアジャイル開発についてのオンラインセミナーが提供されています。アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座での学習内容は以下です。

学習内容

  • コース終了時にアジャイル認定を受ける
  • アジャイル開発とアジャイルプロジェクトマネジメントの基礎を身に着ける
  • ユーザーストーリー、スタンドアップ、レトロスペクティブ、カンバンの使い方を理解する
  • アジャイルと古典的なプロジェクト運営の違いを知る
  • プロジェクト運営に役立つツールを知る
  • プロダクトやアプリの開発サイクルをより効率的に
  • 効率性を重視し、MVPに集中する方法を知る

引用:アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座

もちろん事前知識は不要です。アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座では修了証が提供されており、履歴書やLinkedInのプロフィールでも追加できますアジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座での学習内容は以下です。こちらは約1時間半のオンラインセミナーです。ボリュームも程よいのでセールの時にでも購入してさっと見てしまうのがいいかと思います。オンラインセミナーで実績のある方々のお話を直接聞けるのはいいですね。Udemyは僕自身もよく使うのですがコンテンツも非常に豊富でおすすめです。

Scrum AllianceとScrum Inc.が提供するセミナーは非常に高価で個人で受けるにはハードルが高いのが実際です。一方でアジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座は安価なためまずアジャイルについて理解を深め同時に資格を取得し、勤め先でアジャイル開発やスクラム開発を始めるきっかけに繋げるのはありでしょう。僕自身はScrum Inc.のセミナーに参加し認定スクラムマスターになったのは現場でスクラムでの開発をしばらくしてからでした。セミナーに参加していた他の受講者の方々も同様にすでにスクラム開発を現場でしている方々が多かったです。そのため、まずはこういった比較的安価なセミナーでアジャイル開発やスクラムについて学び資格を取りつつ、現場でアジャイル、スクラム開発のチームを立ち上げ、Scrum AllianceやScrum Inc.が提供するセミナーに参加するのはいい方法かと思います。そうするとセミナーの場では実際に今悩んでいることを講師の方々に相談できるというメリットもあります。


その他

さて、以降は認定資格をもらえるわけではなさそうなのですがスクラムを実践する上で役立つ知識、経験を得ることができる研修をまとめます。

前述したようにスクラムに関しては資格があっても現場で実践できなければ意味がありません。その意味で僕自身は資格は特になくても良いと思ってます。また、費用的な面でも認定資格セミナーは高額なこともあるため比較検討するのは大切だと思います。

資格を取ると自信につながることもあると思いますがスクラムにおいて大事なのはやはり現場で実際にできるか、です。それではご紹介します。

Udemy 【アジャイル開発】スクラム基礎講座

Udemyではスクラムについてのオンラインセミナーが提供されています。【アジャイル開発】スクラム基礎講座の学習内容は以下の通りです。もちろん事前知識は不要で初めての方も学べます。こちらは約4時間のオンラインセミナーになっています。

学習内容

  • プロジェクトでどのようにスクラムを適用すればよいかわかる
  • スクラムでビジネスに価値をもたらす方法
  • スクラムでプロジェクトを効率的に遂行する方法
  • スクラムの概念を身に着ける
  • スクラムに使えるツールを知る
  • スクラムの価値、基本概念、3つの柱をマスターする
  • スクラムの歴史を理解する
  • スクラムとウォーターフォールの違いを理解する

引用:【アジャイル開発】スクラム基礎講座

書籍で読むのもいいですがこういったオンラインセミナーで実績のある方々のお話を直接聞けるのはいいですね。

オージス総研主催 スクラム入門

出典:https://www.ogis-ri.co.jp/learning/1205873_6722.html

 

オージス総研さんが主催するセミナーです。1日で完結する研修のようですが大規模スクラムの話や実践的な事例も交えつつ、レゴを使った演習などもあるようですね。オージス総研さんがやっているということもあり参加する価値は十分あるのかなと思いました。

また、料金的にも認定試験と比べると非常に良心的な印象です。

 

申し込みサイト:スクラム入門

富士通ラーニングメディア

富士通ラーニングメディアさんが提供する研修です。

僕自身も調べてみてから存在を知ったのですが非常に多くの研修を提供していて驚きました。ただ、こちらの場合はスクラム、ということではなくアジャイルという文脈で紹介していますのでスクラムというフレームワークに絞って学びたい方には向いていないと思います。ただ、スクラムもアジャイル開発の考えに則った開発手法の一つですし得られるものは非常に多いと思います。

アジャイル関連コース一覧は下記になります。

 

アジャイル関連研修コースのご紹介

 

様々なコースがあり僕自身も参加してみたいコースがいくつかあるのですが中でも面白そうだと思ったのが下記Agile+Studio Dojoです。

 

出典:Agile+ Studio Dojo

 

料金がちょっとあれですが、10日間の研修ということで内容を考えると妥当かなとも思いました。研修内容を見る限り非常に実践的で認定スクラムマスター系の資格でもこういった実践的な研修はされないためそういう意味では最も良い研修のように僕は感じました。

10日間の研修の間で実際に3スプリント回すようですし3スプリントも回せばほぼほぼアジャイルの考え方、アプローチについて頭にも入ってきそうな気がします。僕もちょっと参加してみたい。

 

まとめ

さて本記事はこれで以上です。

くどいようですがスクラムについては資格を取るよりも現場で実践することが難しく、大切です。セミナーに参加したり資格をとったりすることでサクッと知識をつけ現場でどんどんスクラムを実践していきましょう。

もしそれでも迷うようであれば例えばスクラム関連のカンファレンスなどに参加して経験者に相談してしまうのもありだと思います。スクラムのカンファレンスであれば僕も2019年のカンファレンスに参加&登壇していますがRegional Scrum Gathering Tokyoがお勧めです。

 

Regional Scrum Gathering® Tokyo

こちらはスクラムに関するカンファレンスです。国内でも最大規模だと思います。2019年のカンファレンスには僕自身も登壇することになっており楽しみなカンファレンスです!昨年は米マイクロソフトで働く河野さんの話が話題になっており非常に学びがあるカンファレンスだと思います。

 

 

出典:エンジニア向け技術カンファレンスまとめ【その他】【国内版】

 

スクラムについては下記記事で詳細にまとめています。

 

スクラムとは?

セミナーも参考になりますが他企業の実践事例について把握したい場合はこちらの書籍もおすすめです。国内のインターネット企業での導入事例が数多く記されています。合わせて確認いただくとより理解が深まるでしょう。

 

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB DB PRESS plus)

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スクラムに興味のある方の参考になれば幸いです、では!