Webエンジニアに必要な能力とは
- 2018.12.05
- プログラミング
この記事ではWebエンジニアという仕事をする人にどういった能力が必要なのか、について考えをまとめてみたいと思います。これからWebエンジニアになることを考えている方の参考になれば幸いです。
本記事の内容
本記事では以下のような内容についてお話しします。
- Webエンジニアとはどういった仕事なのか
- Webエンジニアに必要な能力とは
- Webエンジニアに向いている人とは
Webエンジニアとはどういった仕事なのか
一般的にWebエンジニアとはWebアプリケーションを開発、リリース、そして運用できるエンジニアのことを指すことが多いでしょう。それらを行うためには例えば以下のようなスキルが必要です。
- HTML、CSS、Javascript
- サーバーサイド言語
- DB関連
- サーバー構築
- ・・・
他にもあげればきりがありませんが幅広くスキルを要求されるケースが多いと思います。また、業界の特徴として技術の変化、進化が早いこともあり新しい技術を常にキャッチアップしていく必要があります。
この辺りについては以前こちらの記事でもまとめていますのでぜひ合わせて読んでみてください。
それでは本題のWenエンジニアに必要な能力のお話に移りましょう。
Webエンジニアに必要な能力とは
Webエンジニアの仕事内容については先ほどお話をしました。こういった業務を対応していくための能力について考えてみます。僕の経験も踏まえますと以下のような力があるといいのではないかと思います。
- 技術に対する興味が強いこと
- 問題、課題と向き合い、成果を出すことが好きなこと
- チームで問題、課題に取り組むことができること
それでは一つずつみてみましょう。
技術に対する興味が強いこと
これは必須でしょう、疑いの余地もありません。プログラミングが好きだったり、ハードウェアが好きだったりなんでもOKですがやはりいずれかの技術に興味を持っていることがやはり大切です。
興味が薄くても仕事はできるかもしれません。が、おそらく徐々に業界の変化、進歩についていくのが嫌になるかと思います。
例えば今まで使っていた言語ではなく新しいプログラミング言語を使うことになったが、それを新たに覚えるのを楽しめなかったり、今まで使っていたツールから別の新しいツールにうつることになったが使い方を覚えるのが億劫だったり。
そういったことはこの業界ではよく起こるのですがこの状況を楽しめない方はエンジニアは長く続かない可能性はあります(もちろんある程度技術をつけ、企画の担当に移る、という方もいますがそれはまた別のお話)。
以下は注目されているプログラミング言語の推移です(検索エンジンでの検索結果を集計し注目度に関するデータとしているようです)。
もちろん根強く注目されている言語(Java、Cなど)もありますが以前は注目されていたものの徐々に注目度が下がっている言語もあることが端的にわかる非常にいい資料です。こういった技術トレンドの変化が実際に起こっているということですね。
さて、では技術に対する興味が強い人はこの状況をどう感じているのでしょうか。例えばこんな感じだと思います。
IT業界では新しい言語やツールがよく出てきます。そういったものが全て流行るわけではなく、気づいたらなくなっているものもあるわけですが、しっかり定着するものもあります。それらには例えば新しい技術の概念だったり考え方が反映されています。
技術に対する興味が強い方はそういった今までの課題を解決するような考え方、技術に興味津々なわけでそういった状況を楽しむことができる、というわけです。今まで悩んできたあの問題をこの新しい技術を使えば解決できるかも!、というように大興奮したりしていますw
少し視点を引いて企業側の視点でみてみましょう。下記はIT人材白書2017に掲載されているIT企業の変化に対する認識の調査結果です。
出典:IT人材白書2017
行なっている事業別に企業に調査し、現在の変化(IoT、AI、ビッグデータなど)に対する認識について回答をとった集計結果です。IT人材白書2017では以下のように見解を述べています。
「IoT、ビッグデータ、AI関連サービスの開発・提供」や、クラウドサービス(「Paasサービスの構築・運用など」 「 パ ブ リ ッ ク I a a S サ ー ビ ス の 提 供 な ど 」 、「 S a a S サ ー ビ ス 開 発 ・ 提 供 な ど 」 ) を 行 っ て い る 企 業 で は 「 す で に 変 化 の 中 に い る 」 割 合 が 高 い 。 一 方 、「 シ ス テ ム 受 託 開 発 」 、「 技 術 者 等 の 人 材 派 遣 、 提 供 」 を 行 っ て い る 企 業 で は 20%程度と低い割合であった。
出典:IT人材白書2017
これらが示していることはメインで行なっている事業によっては業界の変化に気づいていないケースがある、ということだと思います。そしてその原因はおそらく実際にそういった情報にふれる機会や実務で必要なケースが少ないことなどがあるでしょう。一方でAIを用いた事業を行なっているような企業は業界の変化を敏感に感じ取っているはずです。
ということは、あなたがエンジニアとして働く環境、企業によっては技術への興味が薄くてもなんとかやっていけるかもしれません。ただ、この調査結果はそういったことに気づいていない企業もあるという調査結果であり、事業がずっとうまくいくとは限らないことを考えるとやはり技術に対する興味があることはエンジニア全般に必要な能力だと僕は考えます。
問題、課題と向き合い、成果を出すことが好きなこと
さて、Webエンジニア、エンジニアとは技術ばかり追いかけている人のように考えている方も多いと思いますが、実は本質的には少し違うと僕は思っています。
Webエンジニア、エンジニアの人がしていることは、よくわからないこと、不確実なことと向き合い一つ一つ答えを出していくことだと僕は考えています。
学校では問題があった時、それに対する答えは常に一つでしたね。しかしエンジニアが向き合う課題、問題については答えが一つとは限りません。さらに、どう答えを出していけばいいかさえわからないこともあります。
そのため、その答えを出すためになんども技術検証をし、テストを繰り返し、というプロセスを経るケースがあります。あなたはそういった毎日を楽しめそうでしょうか?もし、YESであればいいですが、人によっては決められたプロセスを早くこなすことの方が好きな方もいるでしょう。
どうアプローチしたらいいかわからない問題と向き合った時、やる気をなくしてしまう方もいるでしょう。それらがいい悪いではなく、エンジニアの毎日はよくわからない課題と向き合い続け、考え、答えを出し続けていく、という毎日なわけでそういったことを楽しめる能力が必要なように僕は思います。
この辺りについて興味がある方はぜひ元ミクシィの広木さんが書かれた以下本をおすすめします。
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この本はエンジニアリング組織論、ということで組織のことについて言及している書籍ではありますがエンジニアリングとは一体なんなのかということがしっかりまとまった素晴らしい本です。本の冒頭から少しだけ引用します。
問題解決のためには、コードだけでなく、人々の思考・組織・ビジネスの「構造」こそリファクタリングしなければいけないと考えるようになりました。それこそがエンジニアリングの本質なのだと気がついたのです。
先が見えないという「不確実性」をどう扱うかを知ることができれば、「不安」は「競争力」に変わります。エンジニアリングに必要な思考は、まさにこの不確実性を力に変えるという点なのです。
エンジニアがしていることが本質的にはどういったことなのか自分の考えをまとめる機会にもなるはずです。興味ある方はぜひご一読を。
チームで問題、課題に取り組むことができること
さて、最後の項目です。前述の通り、エンジニアは毎日よくわからない課題と向き合うわけですが、それは何も一人で向き合い続けるわけではありません。チームでそれらの課題と向き合い続けることになります。
自分が得意なこともあるでしょうし、苦手なこともあるでしょう。そういった中でチームで自分のできないところを補い合ったり、目標や課題解決に向けて前向きに取り組める、そういった能力が大切です。一人でできることというのは限られています。問題が大きければ大きいほどチームで課題に取り組める能力が必須、ということですね。
ここで僕の好きなTeam Geekからチームに関する話を一部引用します。
ぼくたちが強調したいのは、孤高のプログラミング職人はいないということだ。たとえいたとしても、1人で超人的な偉業を達成できるわけではない。世界を変えるような功績は、インスピレーションの閃きとチームの努力の結果である。
出典:Team Geek
Team GeekはGoogleのエンジニアの方が書いた本です。Googleの方もこのように考えているというのは説得力もあるのではないでしょうか。もちろん個人の能力も必要ですがこのようにチームで努力することができることも非常に大切なことだということです。
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Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか 新品価格 |
Webエンジニアに向いている人とは
ここまで僕なりに考えるWebエンジニアに向いている方の能力をまとめてきました。これらは全て満たしていないといけないのでしょうか?
僕はそうは思いません。
エンジニアの仕事をしていると自分よりすごいエンジニアが世界中にわんさかいることに気づきます。時には自分なんてエンジニアは向いてないんじゃないかと思うことさえあるかもしれません。
でも大丈夫です。
技術が好きであることがを前提のお話をしますが、自分のなりたいエンジニア像と今の自分を比べながら足りない能力は少しずつ習得していくことが大切です。
そしてそれは可能だと僕は思っています。プログラミングが好き、楽しいから入り、自分に足りないものはちょっとずつ足していく、そういったことを通してWebエンジニアとして活躍していくことはできるでしょう。
まとめ
Webエンジニアに求められる能力について僕なりにお話ししてきましたがどうでしたでしょうか。
エンジニアは特に業界によっては非常に自由で楽しそうに仕事をしている人たちに見えているかもしれません。しかし、自由とともに責任もあります。厳しい業界ではありますが技術が好き、というきっかけからWebエンジニアとして活躍することができると僕は思います。それでは以上です。どなたかの参考になれば嬉しいです。